皆さんは、自分の「歯」について詳しく考えてみた事はありますか?
歯は、どのような構造をしているのでしょうか?また、どうして、「虫歯」などになってしまうのか。そんな歯の不思議について考えていきたいと思います。
実際に、皆さんが鏡などに自分の姿を移した時などに目にする「歯」は、歯茎に隠れていない部分の「歯」になります。なんだか、分かりづらい説明になるかもしれませんが、「歯」は、皆さんに見えている部分だけではなく、歯を支えている歯茎の中にもあるのです。
歯の形態を簡単に分類すると、表面の「エナメル質」、その中にある「象牙質」、歯の土台となっている「セメント質」などがあります。このような構造によって、「歯」は皆さんの身体の中で、1番、強度のある性質をもっていると言われています。
では、どうしてこのような硬い「歯」が虫歯などになってしまうのでしょうか?
これは、お口の中の細菌たちの仕業なのです。
お口の中には、元々、善玉菌と悪玉菌と呼ばれる、様々な菌がいます。常に皆さんの身体に住み着く菌は、常在菌と呼ばれ、皆さんの身体に、良い影響を与えるものもいれば、悪さをしてくるものもいます。この悪玉菌の中に、虫歯菌の代表的なリーダー格の細菌がいるのですが、彼らの1つがミュータンス菌と呼ばれる虫歯菌なのです。
皆さんが、食事をして様々な栄養素を体内に取り入れる際、お口の中に残された食べカスなどの「糖分」を好物とし、常にお口の中に住んでいるのですが、この虫歯菌は、お口の中の歯の磨き残しなどの「糖」から、「歯」を溶かしてしまう「酸」を作ってしまうのです。
皆さんの身体の中で1番、硬い「歯」のエナメル質を、少しずつ溶かしていき、エナメル質に覆われた象牙質や、歯の神経にまで到達してしまう怖い菌なのです。
ですから、歯磨きをしないという事は、虫歯菌たちにエサをあげているという事になり、歯磨きを怠る事で、虫歯が増えると考えられているのです。
「むし歯」予防と年齢・年代
「むし歯」についてお話していきましょう。
皆さんが、虫歯の予防について考える際に、どのような対策を思い浮かべるでしょうか?
食後の歯磨きや、歯科クリニックでの定期検診、フロスや歯間ブラシなどでのケアなど、様々な予防方法が思い浮かぶかもしれませんが、生活習慣の乱れや、加齢などによっても虫歯のなりやすさは変化してくるのです。
成人する時期の歯は「永久歯」と呼ばれ、一般的には、正しく歯磨きを行っていれば、むし歯にはなりずらい歯であると考えられているようです。
3歳頃から生え始めると言われている「乳歯」は、その頃から食べ始める子どもたちの変化する食環境などによっても、むし歯になりやすい時期であると考えられています。
成長に生涯のパートナーとなる永久歯の生える時期は、平均5~6歳頃と言われていますが、この頃の子どもたちの口内環境は、歯の生えかわりの時期としても複雑である事から、むし歯へのリスクは高まります。
また、永久歯が全て生え揃うのは、平均として15歳前後と言われています。
永久歯は、歯の「質」は強くなると言われていますが、学業、部活、塾、スポーツ、遊び、受験、就職など、様々なアクティビティに活発に行動する時期ですので、歯のケアを習慣化していないと、生活習慣の乱れなどからむし歯リスクが高まります。
社会人生活の中では、周囲の人々から、歯磨きやデンタルケアの指導や指示をされなくとも、自己管理の範疇となってきますので、歯磨きケアを苦手としていたり、軽視している人々は、むし歯になりやすくなります。
30代中盤から、むし歯と同様に、「歯周病」のケアも十分配慮していなくてはならなくなります。
高齢期にさしかかると、入れ歯や義歯の使用率も上がり、口内の乾燥など、年齢に適したデンタルケアを行わないとい、むし歯になりやすい口内環境に傾きがちになります。
「むし歯」予防の対策としては、年齢や生活習慣に合わせた対処法が必要となり、年齢や生活リズムの状況によって、デンタルケアの変化も求められるようです。
20代に行っていたデンタルケアが、30代、40代、50代・・・と、年齢を重ねる中でも有効であるかどうかは、歯科検診の際などに、専門歯科医などのアドバイスを受ける事が望ましようです。
ですがどんなに予防しても虫歯になってしまう場合もあります。
最近では痛みが苦手な方へ向けた無痛治療といったような選択肢もありますので早めにかかりつけの歯科医に相談しましょう。
歯科予防はじめませんか
日本の歯科医療は、世界的に比較してもその発展と進化は、進んでいると考えられていますが、国民性としてのデンタルケアへの関心は低い傾向があると言われています。
その背景には、定期的な歯科検診へ通院する人々の少なさや、予防歯科医療の普及が取り上げられているようです。
皆さんにとって、歯科医療は、治療を行うものですか?
予防を行うものでしょうか?
歯科医療は、予防と治療、どちらでもあるのですが、今後の歯科のるべき姿として、「予防」への比重が高まる事が期待されています。
どうしても、歯科医院に訪れた際の、ドリルの音が気になってしまい、検診の通院から遠ざかってしまうというような人も少なくないのではないでしょうか。
虫歯も歯周病も、正しいデンタルケアや定期的な検診を受ける事で、ある程度までは予防できるものであると考えられています。
そこには、何よりも皆さんの毎日のデンタルケアへの心掛けや歯科予防への認識の必要性が唱えられています。今からでも遅いという事はありません。
気付いた時に、始めるのが一番です。
未来の健康的な歯の為に、歯科予防はじめませんか?